2002年6月23日(日)

 日本対トルコは残念でした。今までとはまるで別のチームのようにパス回しが上手くいってなかったように見えました。まあ、そう簡単には勝たせてくれないのがW杯でしょう。韓国だって5大会の経験がありながら勝ったのは今回が初めてだったんですから。

 なんで負けたかを考えるに、今まで負けなかったゲームと違う状況が直接的間接的にしろあったというのは大きいのじゃないかと思います。選手の人選にしても監督の服装にしてもいろいろ言われていますが、私的にはもっと大きかったものがあります。それは、私が日本で見ていたこと、しかも一人で見ていたこと、しかもカネを賭けていたことです。これは完全に予選の3戦とは状況が異なっている。実はゲームが始まったとき、この状況の違いに思い当たって結構いやな予感がした。常識的に考えるとそんなの関係あるわけはないのですが、私的には私のせいで日本は負けたんじゃなかろうかと密かに思っていたりするわけです。まあそれもまんざらではないなと。ハハハ。

 ドイツ対アメリカでは勝たせていただきました。残念ながらドイツの人気が高いせいでオッズが低くて過去の負けを取り返せてはいません。

 これからシンガポール行きの飛行機に乗るため、現在成田空港でこれを書いています。日本に一週間もいるとさすがに太りますね。シンガポールに帰ったらまた摂生の日々を送ることとしましょう。

2002年6月16日(日)

 ワールドカップって盛り上がるものですなあ。日本の初戦だったベルギー戦は会社を早退して家で見たのですが、ロシア戦は日曜日だったのでクラークキーっていうダイニングエリアに行ってそこのパブで見ました。やはり家で見るより日本人がいっぱいいてみんなで盛り上がりながら見るので雰囲気がいい。それに味をしめてしまったので、金曜日のチュニジア戦は午後有休を取って取引先の人たちとダクストンヒルっていう、やはりパブエリアの中のパブで見ました。森島と中田がゴールした時は、日本でテレビを見れずに働いている不幸な友人に電話して速報を入れてやりました。さすがに電話の方がインターネットよりも早い。開催地である日本にいながらシンガポールから速報をもらうことを当人は相当悔しがっていましたね。この日は結局そのまま夜中まで飲み続けたため、結婚式でもあるまいし、12時間もぶっ続けで飲んでました。アホです。

 もちろん、技術的なことや戦略的なことも興味深いのですが、やはり日本が出てるってことはそれ以上のものがありますね。シンガポール人もベルギーやロシアやチュニジアには馴染みがないせいもありますが、日本戦のときは日本を応援してくれているし、まあ、賭けているからというのもあるでしょうが結構盛り上がっています。

 さて問題はトルコ戦を見れるかどうか。火曜日は午前中に東京で会議があります。その会議上で特に問題がなければ午後は空く。何か修正事項があれば午後を使ってやらないといかん・・・。それでも午後に会議が入っている人もいるわけで、そういう呪うべきスケジュールではないのは救いです。会社は上野ですが、気分を味わうためにはやっぱり六本木まで行くべきでしょうか?

 現在夜の9時です。これから会社に名刺を取りに行ってからその足で空港に向います。

2002年6月2日(日)

 ワールドカップシーズンに合わせているわけではないですが、シンガポールでは毎年この時期グレートシンガポールセールという、国を挙げてのバーゲン期間になります。ついこないだDFS(Duty Free Shoppers)からダイレクトメールで、旅行者は対象にならない在住メンバーだけのスペシャルバーゲンがこの週末にあることがわかり、うちの妻も行ってきたようです。ところが行ってみると軽く2時間は並びそうな行列が既に出来上がっており、まあ、日本では普通の行列なんでしょうが、日本の常識は世界の非常識、さすがにアホらしくなって30分くらい並んで帰ってきたようです。DFSって日本人だけをメンバーの対象にしているわけではないはずなのに、こういうイベントがあると集まるのは必ずほとんどが日本人。たまに韓国人もいるようですが。

 バブリーな80年代から90年代にジャパンマネーをブイブイ言わせて、ブランド品のみならず世界中の失笑を買いまくった日本人ツアーも今は過去の話となりましたが、いまだに日本人のブランド信仰は健在のようです。

 ワールドカップもかなり盛り上がっていますが、それ関係はいろんな人がいろんなところでいろいろ言っていると思うので割愛してマイナーネタでいきますが、今日の世界GPのロッシの走りは強烈でした。300km/hからの突っ込みでなんとカウンターをあてていた!さらに立ち上がりでもやはりカウンター。フィニッシュはいつも通り200km/hでのウィリー。エンジンの出力特性は当然のこと、サーキットの路面のμとタイヤのグリップを完璧につかんでいないとできない芸当。彼のマシンコントロール能力っていうのはホントに奥が深い。地元イタリアということもあってノリにノッていたのでしょうけど、すごいのを見せつけられました。

2002年5月27日(月)

 今日はシンガポールは休日でした。Vesak Day、つまりお釈迦様の誕生日が26日で、今日は振替休日。シンガポールの祝日は正月とメーデーとナショナルデー以外は非常に宗教色、民族色が強いものばかりです。日本みたいに緑の日とか海の日をはじめ、体育の日とか成人の日とかのなんでこれが祝日になるの?的な祝日はありません。ホントに日本が羨ましいです・・・。

 先週香港に行ってきましたが、たまたま行きの飛行機は最終目的地がサンフランシスコで、アメリカ便の警備の厳重さを実感できることとなりました。再びアメリカでテロの警戒が強まっているためでしょう。搭乗開始時刻が通常30分か20分前くらいのところ、1時間前になっていました。私が空港に着いたのが1時間前だったのですが、ボードを見るともうボーディングのサインが出ている。特に気にも留めず、ラウンジでサンドウィッチなんか食べたりして15分前くらいに搭乗口に行ってみると、さすがに大方乗り込んだのか乗客の姿は少なめだったのですが、セキュリティチェックに時間を食いました。検査ゲートでキンコンは鳴らなかったのですが、金属探知機で入念に調べられ、パソコンなんか電源まで入れさせられました。これは時間がかかりますね。アメリカ行きだから当然アメリカ人も多くツアー客は少なく、他の行先に比べればパソコンを携帯している乗客の比率は多いはずで、全員にこんなことさせてんのかと思うと1時間前の搭乗開始も納得です。割と時間ぎりぎりの方だったから人もまばらで並ぶこともなかったのですが、ちょっと前までは長い行列になっていたんだろうなって思います。そういえば、オーストラリアのブリスベンの空港ではパソコンのバッテリーを外すように言われました。現代のテロはパソコンなしでは語れないってことですかね。

2002年5月19日(日)

 先週書いたビール増税と似ていますが、ある日突然当局から発表があって即刻適用される規制というのはシンガポールでは珍しくありません。この度、そのような発表が交通警察からありました。リアシートのシートベルト着用とチャイルドシートの装着に関する取締徹底です。実はこれはもともとあった規則ということですが、今まで真面目に取り締まってこなかったので、これからは容赦なく検挙しますよ、ということらしい。リアシートでシートベルトを未装着の場合は運転手と未装着の本人の両方にそれぞれ120ドル(約8,600円)の罰金が科せられるというもの。タクシーも基本的には例外ではないので、シンガポール旅行に来てタクシーに乗る時は気を付けて下さい。チャイルドシートの場合は子供から罰金を取るわけには行きませんので、どうなるのでしょう?運転手だけかな。

 シンガポールでは肉体労働者の方々を現場まで送迎するのに、日本みたいにワンボックスのバンなどを使うことはなく、トラックの荷台に道具と一緒に載せて運んでいますが、面白いのは彼らに対する今回の取締の適用。そういうのを取締の対象にしたら業者のコスト負担が膨らんで経営効率が落ちるので対象にはしない、というものです。規制大国である一方、経済効率も非常に重視するシンガポールらしい柔軟な運用ですな。

 今週は5ヶ月振りに香港に行きます。でもたったの一泊。香港の食を堪能する時間はなさそうです。

2002年5月12日(日)

 4月21日のこのコーナーに、シンガポールの税制改正(所得税・法人税減税と消費税増税等)の決定を書きましたが、大きな落とし穴がありました。それは、日本でやったら?と書いたタバコ税増税と、それに加えて酒税増税も即刻実施されることになったということです。これでシンガポールのタバコは1箱7.5ドル(約540円)前後になりました。まあタバコ価格は1箱千円になろうが10万円になろうが、私には別に痛くも痒くもないのですが、打撃は酒税の方ですな。大瓶で20セント(約14円)上がった。だいたい5ドル(360円)前後なので日本より高いってことでしょうか?同じくらい?よく覚えていません。いずれにしても、影響は甚大です。タバコはよくて酒はダメなんて、こんなこと言っていると、自分ってつくづく身勝手な納税者だと思っちゃいますね(^^; それにしても、この増税に対する政府高官のコメントが洒落ている。「若者の飲み過ぎ吸い過ぎを防止するため」だそうです。もちろん高齢者に対する割引がある筈はありません。日本の政治家もワケの解らない言い回しをしないで、こんな見え見えだけど割り切った言い方をしたほうがむしろ爽やかなのでは?

 最近PCがフリーズしまくってストレス蓄積の元凶になっていたので、今日シンガポールの秋葉原と言われるSim Lim Squareに行ってメモリーを買って来ました。ノート用256MBで166ドル(約12,000円)は安いのか高いのか?合計で320MBとなったマシンはさすがにいろんな場面で動きが速くなりました。

2002年5月5日(日)

 会社の日本人が一人帰国したので、彼女が使用していたテンキーをもらった。会社で使用するPCを昨秋からノートに替えたのですが、仕事柄、数字をひたすら入力する時は辛い。そこで、そういう時だけ共用のデスクトップPCを使って入力していたのですが、今回の帰任は後任がいないということで、それでは私が有効に使ってあげましょう、ってなもんです。

 ところがUSBポートに接続した途端、PCのキーボードが変になった。アルファベットや数字はいいのですが、各種記号を入力しようとするとキーボード表示と全然違うものが入力されてしまう。最初パニクっていたのですが、冷静に分析してみると、英語キーボードの配列になっているではないですか。例えば「@」は「2」のShift(本来は「”」です)、「(」は「9」のShift(本来は「)」です)という感じ。使えなくはないけど、極めて使いづらい。試しにテンキーを抜いてみたのですが、もはや元には戻らなくなっていました。キーボードの設定をチェックしてみたのですが、ちゃんと日本語キーボードになっているし、再起動しても変化なし。

 原因は明らかにテンキーにありそうだし、さては私だけの事象ではないかもしれないと思い、テンキーメーカーのウェブサイトを見てみたところ、ありましたありました。「Windows2000で英語キーボードになる」みたいなトラブルがちゃんと載っていた。以前のユーザーはWin98でした。修正モジュールをダウンロードして解決しましたが、実はこういうことが結構よくあります。購入する時はもちろんですが、譲り受ける時も装着するマシンあるいはOSとの適合性をちゃんと確認しないと慌てることになるし、ユーザーによっては自力では解決できないことも十分考えられます。そういう意味ではまだまだPCは、本当の意味で誰でも使えるという道具には遠いのかもしれません。

2002年5月1日(水)

 今日はメーデーで休みのうえ、家族も友達の家に遊びに行っていて私ひとりだったので、昼メシ時に久々に近所のコーヒーショップ(喫茶店ではなくて、ホーカーセンターの小規模版みたいな感じの庶民派食堂)に足を運んだところ、新しくタイ料理屋が入っていてビックリ。タイメシ好きの私としては見逃すわけにはいかず、グリーンカレーとライスをテイクアウェイして帰りました。味もしっかりしているしライスも含めてボリュームも多く(実際一人で食べきれない)、これで4ドル50セント(約320円)なんだから嬉しい。日本でタイカレーをオーダーすると、食った気がしないほどの量で、1,000円前後もしますよね。もちろんシンガポールでもちゃんとしたタイ料理屋はそれなりに高いのですが、こういった廉価版のオプションもちゃんとあるのがありがたいですね。食に関してはホントにシンガポールは恵まれているなと感じます。

2002年4月28日(日)

 今日の日経のコラムに、航空機の機内食のことが出ていました。曰く、エールフランスやアリタリアのようないわゆるグルメな国のキャリアほど不味い、ルフトハンザやサベナあたりが美味いと。このコラムの中では欧州系のキャリアについてのみ書かれていましたが、欧州系といえば現在経営再建中のスイス航空しか乗ったことがない私にはなんとも言えませんが、私の決して多くはない経験から言えば、アメリカ系は相対的に不味いってことです。

 アメリカ合衆国といえばハワイしか行ったことがない私が言っちゃなんですが、アメリカのアメリカンフードって、まあだいたい大味って気がしませんか。肉にしろなんにしろ、ボリューム主義みたいな。国としての歴史が浅いから、文化もそれほど深いわけではなく、したがって文化の代表である食に関してもそれほどこだわりはないんじゃないかと思ってしまいます。で、そんな国のキャリアなので合理化策との相乗効果で機内食はかなりグレードが低い。

 対して、アジア系キャリアは各社がサービスを競っている環境ですので、機内食も結構気合が入ったものになっています。バックグラウンド的にはアジア人はかなり舌が肥えているようで、ちょっと味が落ちるととたんに客が離れるという店が多いようですので、自然と店も鍛えられていくし、そんな国々のキャリアもやはりそれなりの対応になる、ということでしょうか。

 日系キャリアはというと、その中間という印象があります。と言うか、特に不味かった印象もないしその逆もない。シンガポール路線で言えば、JALのシンガポール深夜発の東京行きで、朝食にお粥(中華粥じゃなくて純和風お粥)が出まして、好きな人もいるようですが、お粥といえば病人食というイメージを持っている私には不評です。寝ているところを叩き起こされてまで食べるほどのモノじゃない。

 このネタは書き始めると結構長くなっちゃいますが、総じて言えることは、機内食で和食、特にご飯物は避けた方がいいということ、そして何より忘れてはならないのは、地上並みのメシを期待するのはそもそもの間違いということです。

 ところで、今日の新潟参院補選で、私の高校の同級生が当選しちゃいました。参院議員一人の力で政治が変わるほど日本の政局は柔軟なものではありませんが、県民の信任を得て当選したからには、決してそれを裏切ることのないようにしてもらいたいと思っています。

2002年4月21日(日)

 G7が開催されましたが、今回は欧米の経済が回復に向いつつある中で、日本だけが取り残されている感を塩ジイと速水総裁がなんとか払拭しようとしているようでした。声明文はまだですが、二人の努力も空しく日本に対して他のG7諸国に早くキャッチアップするよう求めるくだりが、間接的にしろ入ることになるのでしょうか。直接的にそれを盛り込むほどもはや欧米は日本に対する期待を持っていない、あるいは重視していないようですから。グリーンスパンは先週、日本の景気回復の度合が世界経済に及ぼす影響はそれほど大きくない旨のことを言っていました。もはや見切られましたね。

 政局を見ていると暴露合戦ばっかりやっていて全然建設的じゃない。国民は政治にワイドショーを求めているわけではないと思うのですけど。有事法制に関してはそれはそれで非常に重要な案件ですので、それに対する議論の盛り上がりは大きな進展であると思います。それにしても、今一番なんとかしなくてはならない内需の拡大に関する政策はもとより議論すら全然見えてこない。一体何を考えているのでしょうか。

 税制に関しては長いことあーでもないこーでもないとチマチマとやっているようですが、何もカタチになってこない間に、シンガポールは個人・法人所得税減税と消費税増税、連結納税制の導入(日本みたいななんちゃって連結納税じゃないと思う)をとっとと決めてしまった。つくづく日本の改革のトロさを感じます。税制改正ですが、消費税減税とタバコ税増税をセットでやるとどうなるかちょっと興味があったので計算してみました。ホントは所得税についてもセットにすべきですが、あれは論点というか項目がたくさんあって、面倒くさいので省略。タバコ増税に関しては塩ジイがかなりヤル気のようですが。

 2000年度の国内総支出は536兆円。消費税を3%に下げたとすると11兆円の税収減になります。一方、タバコの消費数量は年間3,400億本。現在の税率は1,000本あたり7,072円だそうですが、これを10,000円にするとどうなるか。1兆円の税収増です。ありゃりゃ。約40%の増税をして1箱あたり310円平均くらいになっても年間10兆円の財政赤字ですか・・・。シンガポールの日本人を見ていると1箱350円くらいだと喫煙者はあきらめずに吸い続けると思いますが、400円とかになるとたぶん消費数量が急減して増税を相殺しそう。ということは1,000本あたり12,000円の税金、つまり1.7兆円の増税がいいとこでしょうか。その後の景気回復後の消費税7%化を盛り込まないとムリですね、こりゃ。

2002年4月14日(日)

 ここ3週間ほど2日に1通くらいの割合でウィルス付メールが届いています。ウィルスの種類は「WORM_KLEZ」というもので、一時大流行した「NIMDA」同様、インターネットエクスプローラーやアウトルックエクスプレスのセキュリティホールを利用してコンピュータに侵入し、アウトルックエクスプレスのアドレス帳を利用して自身のコピーをネット上に配布していくというタイプのものです。このメールは受け取っても毎回差出人や件名が違うために、こうだ!という特定が難しい。実際はどこから届いているのかわからないのですが、少なくとも今まで知り合いの名義で届いたことはない。これは、本当に知り合い以外の人から届いているのか、それとも知り合いが知らずに感染メールを送っていて名前が勝手に変わっているのか定かではありません。

 幸い私は常にパターンファイルをアップデートしているウィルスチェックソフトが常に受信メールを監視しているので、既知のウィルスは受信した時点で処理、あるいは警告されます。また、IEも6.0にしてあるし、アウトルックエクスプレスもプレビューウィンドウは表示していません。しかし、これとても未知のウィルスに対しては効果がないわけですから完全な予防ではない。いずれにしても怪しいメールは開かずに削除する勇気が大切です。

 しかし、なんでここにきて急にそんなメールが増えているんでしょう?

2002年4月7日(日)

 オートバイの世界選手権が今日鈴鹿で幕を開けました。モトクロスの世界では2年前くらいから4サイクルマシンの参戦が始まっていましたが、ロードレースの世界でも今シーズンからそれが始まったようです。しかも、よりドラスティックな形で。モトクロスではあくまで2サイクルが主流派なのに対して、ロードレースは蓋を開けてみたら4サイクルが主流になっていました。

 要するに環境に対する世の中の流れには合わせざるを得なかったのでしょう。自動車のF1がそうであるように、二輪車における世界グランプリはメーカーのアピールの場であるとともに、開発の場でもある。そこから2サイクルが激減したということは、今後恐らく2サイクルエンジンの進化は急激に速度が落ち、やがて一般的には世の中から消えていくということが読める。ロータリーエンジンもそうですが。既に公道仕様車で2サイクルの現行モデルというのは極めて少なくなっています。RZのデビュー以降の新世代2サイクルの隆盛期を見てきた身としては非常に寂しい限りです。確かに燃料消費率の悪さやオイルの大量使用等、環境インパクトは4サイクルに比べ格段に高いので仕方がない。でも、構造のシンプルさからくるメンテナンスのイージーさは大きな魅力でした。私のような文系人間でもちょっと勉強すればエンジンを降ろしてバラして、また組み立てられましたから。まあ、これも時代の流れですね。

 現在の4サイクルエンジンは、元来最大のネックだった重量増という点はほぼ完全に克服している。そのうえで、比較的緩やかなトルクカーブで扱いやすいエンジン特性を持っているのだから、公道では当然のこと、コンペティションでも非常に高い戦闘力を発揮するようです。実際、今日の雨のレースでは、2サイクル勢の転倒が多かったし、上位は4サイクルが占めた。

 それにしても、2サイクルが消えゆくのは寂しい。気を抜いていると一瞬で身体が後ろに置いていかれるようなドカン!とくるパワー、それと同時に一気に甲高くなる乾いた排気音。手に余すことの方が多かったけど、最大の美点でしたね。それにひきかえ、あの4サイクルのブワーッっていう間の抜けた音、なんとかならないんですかね?